今年(2022年)初めての投稿となります。
今年のストックフォトの動向はどのようになるのでしょうか?
昨年の個人的なおよび業界的な傾向を見る限りストックフォト自体の伸びしろはあまり残されていないようです。今後はストックフォトに代ってストック動画が主な戦場となっていくでしょう。実際、写真から動画へと軸足を移している人もみられます。
ただ、サブスクリプション制が導入されはじめた2014年以降は全体的なストック提供者は減っていき、とりわけ人物撮影を恒常的に行う国内のストックフォトグラファーの数は現在数えられるほどに固定化されているので、各ストックフォト会社がどのように多くの多様な動画を集めていくことになるのかが少し気になります。
ストックフォトの創成期以来、ストックフォトという写真提供のあり方はプロを含めた多くのカメラマンの参加のもとで成功を収めてきましたが、現在ではSNSが普及したことによって、魅力的な写真を撮れるカメラマンはプロアマ問わずインスタグラムやYoutubeなどの評価経済システムの中で知名度を上げ大小の仕事を請け負うことも可能となっています。そして今後さらに評価経済システムの中で活躍するカメラマン(写真家)の影響力や収益は増えていくでしょう。
評価経済システムと(写真を含めた)アートの関係性は、NFTアートの登場ともあいまって、きわめて良好に見えます。もちろんストックフォトはアートではないので、ストックフォト的写真がそのまま評価経済システムの中で注目されることはありませんが、これまでもっぱら商業写真を撮ってきたフォトグラファーも評価経済システム市場への参入を視野に入れてもよいのではないでしょうか。
2022年は、フォトグラファーにとっても、あるいはストックフォト会社にとっても、評価経済システム市場を個々の活動にいかに取り込んでいくかということを考えて実行していく年になるでしょう。フォトグラファーもストックフォト会社も今後評価経済システム市場を無視しては生きていけなくなる年のはじまりです。