2025年のストックフォトの動向:AI生成画像の増加を中心に

 

一つのビジネスモデルの持続期間は長くても30年といわれています。30年で完全に終了しないまでも、30年くらい経つとこれまで通用してきたビジネスモデルが齟齬をきたしたり、ドラスティックな変革なしには持続できなくなるということはよくあります。

インターネットを通じて広告写真を販売するというストックフォトのビジネスモデルは、2003年頃にその原型がはじまり、2007年前後から本格的に拡大して世界的なビジネスモデルを形成してきました。2025年が終わろうとする今、ストックフォトのビジネスモデルはすでに20年に及ぼうとしています。

このビジネスモデルに対する企業側から見た視点と、投稿者側からの視点は異なると思いますが、多くの投稿者(クリエイター/コントリビューター)は、この20年を経たビジネスモデルに多少なりとも不安を感じています。国内外のストックフォトのフォーラムをみると、かつては投稿数に比例して上がっていた収益は次第に鈍化し、投稿を続けることの困難さを嘆く声もよく聞かれます。

食べ物とは異なり、ストックフォトは消化して消えません。ロイヤリティーフリー契約で購入された写真は期間の限定なしに使用することが可能なため、写真は購入者の手元に数多くの蓄積され、市場には日々新たな写真が加わります。

この1,2年のAIストック画像の急速な増加ともあいまって、ストックフォトの需要と供給のバランスはすでに大きく崩れているのではないかという指摘もYoutubeなどでよくみられるようになりました。

そこで、来年2026年に向けて、ストックフォトの需要と供給のバランスはどうなるのかついて、AI(Copilot)に以下の質問をしてみました。

質問1:ストックフォトの需要と供給のバランスはすでに供給過剰になっていますか?

 

以下、AI(Copilot)の答えです:

結論から言うと、ストックフォト市場は需要は伸びているが、供給はそれ以上に増えており、実質的に“供給過剰”の状態にあると判断できます。 検索結果のデータから、その根拠を整理して説明します。
📉 結論:ストックフォト市場は“供給過剰”の状態にある

🟦 1. 市場は成長している(需要は増えている)

検索結果によると、ストックフォト市場は
2024年:50.9億ドル
2029年:72.7億ドル
へ成長する見込みで、CAGR(年平均成長率)は 6.99% とされています。 つまり、需要は確実に伸びている。

🟥 2. しかし「供給過多」が課題として明記されている
別の市場レポートでは、ストックフォト市場の課題として 「市場の飽和(oversaturation)」 が明確に挙げられています。
これは、 投稿される画像の量が需要を大きく上回っている
類似コンテンツが大量に存在する
クリエイターの競争が激化している
という状況を意味します。


🟥 3. 供給過剰の最大要因:AI画像の爆発的増加

2024〜2025年にかけて、Adobe Stock では AI画像が急増し、
2025年4月時点で全画像の 47.85% が AI生成 というデータがあります(前回の検索結果より)。
AI画像は
低コスト
高速
無限に生成可能
であるため、供給量が指数関数的に増加しています。
これは人間のクリエイターの投稿量を完全に上回るペースです。

Copilotの示す数字が正しいとすると、AI画像は驚異的な速さでその数を増やしています。とりわけAdobeStockにおけるAI画像の高い比率が指摘されているので、この点についてもう少し聞いてみたいと思います。

質問2:2026年にAdobeStockを含めたストックフォト業界におけるAI生成画像の比率がどのように推移するか予測できますか?

以下AI(Copilot)の答えです:

まずは、検索で得られた事実を踏まえつつ、そこから論理的に推計していきます。

📌 1. 現在わかっている“事実”

検索結果によると、2025年4月8日時点でAdobe Stockの47.85%がAI生成画像です。
さらに、PetaPixelの報道では、AI画像は3年で3億枚以上アップロードされ、Adobe Stock全体の約50%に到達とされています。

これらは、AI画像が「指数関数的」に増加していることを示す強い根拠です。

📌 2. ストックフォト業界全体の傾向(2023→2025)

Adobe Stockは業界最大級のプラットフォームであり、他社(123RFなど)も同様にAI画像の増加を経験しています。

ただし、Adobe StockほどAI比率が高いサービスはまだないため、業界平均はAdobeより低めと考えられます。

📈 3. 2026年におけるAdobe StockのAI比率を予測するためのモデル

公式の予測モデルは存在しませんが、以下の3つのモデルを組み合わせると精度の高い推計ができます。

A. 指数成長モデル(Exponential Growth)

AI画像の増加速度は実写の数十倍。
2023年:2.5% → 2025年:47.85%

この増加率は異常なほど急で、指数関数的な成長曲線に近い。

B. ロジスティック成長モデル(Logistic Growth)

市場には「飽和点」があるため、最終的には
AI比率 80〜95%
で頭打ちになる可能性が高い。

C. プラットフォーム行動モデル

  • AdobeはAI生成ツール(Firefly)を強く推進
  • 写真家の投稿量は横ばい〜減少
  • AI投稿者は増加し続ける
  • 審査基準はAIに最適化されつつある

これらは、AI比率がさらに上昇する方向に働く。

📉 4. Adobe Stockの現状データからの推計(推論)

2025年4月時点で47.85%
→ 2026年には 60〜75% に到達する可能性が高い。

理由:

  • AI投稿者の増加速度が実写の数十倍
  • AdobeがAI生成ツール(Firefly)を強く推進
  • 実写投稿者の相対的減少

Adobe StockにおけるAI画像の割合が突出し、(推計で)2026年には同社におけるAI画像の割合が60~75%になる可能性もあると予測されています。業界全体では、(Getty系列など)AI画像を受け入れていないところもあるので、Adobe Stockより穏やかな伸びになりそうです。とはいえ、市場におけるAI画像比率の高まりは時間の問題であることに変わりはないでしょう。

では、このような「指数関数的」なAI画像の伸びに対して、実写を撮影するクリエイターは何ができるのか、さらにAIに聞いてみました。

質問3:実写画像を投稿するクリエイターが今後も販売を続けるために、AI画像の増加に対してできることは何ですか?

以下AI(Copilot)の答えです:

このテーマはまさに今のストックフォト業界の核心ですね。
AI画像が爆発的に増える中で、実写クリエイターが生き残るどころか、むしろ価値を高めていくためにできることは確実に存在します。
現実的かつ戦略的な方向でまとめます。

📌 実写クリエイターが今後も販売を続けるためにできること

🎯 1. AIでは再現しにくい「現実の複雑さ」を撮る

AIは万能に見えて、実は苦手な領域がはっきりしています。

AIが苦手な実写領域

  • リアルな人間の感情・表情の微妙なニュアンス
  • 文化的・地域的な文脈(日本の生活感、地方の風景など)
  • イベント・季節行事のリアルな空気感
  • 複雑な光(逆光、反射、霧、雨、夜景)
  • リアルな職場・専門職の撮影(医療、工場、研究所など)

AIは「それっぽいもの」は作れても、
**“本物の空気感”や“生活の痕跡”**はまだ再現が難しい。

→ 実写の強みが最も活きる領域です。

🎯 2. AIでは撮れない「現場性」「ドキュメント性」を武器にする

AIは“存在しない世界”を作るのは得意ですが、
**“今ここで起きている現実”**は絶対に作れません。

実写が勝てるジャンル

  • ニュース性のある写真
  • 地域のイベント
  • 実在の店舗・街並み
  • 季節の移り変わり
  • 実在の人物のライフスタイル

特に日本のローカルな風景や文化は、海外需要が非常に高い。

🎯 3. AI画像が苦手な「商用利用の信頼性」を提供する

広告代理店や企業は、AI画像に対して次の懸念を持っています。

  • 著作権の不確実性
  • モデルリリースの問題
  • AI特有の“違和感”
  • 法的リスク(特に人物写真)

実写はここで圧倒的に強い。

→ **「商用利用に安全」**というだけで価値が上がる。

ここでCopilotが細かく指摘していることを一言でいえば、「リアルで真実味のある写真」を撮れということだと思います。「リアルな人間の感情」「リアルな空気感」「実在の店舗や街並み」「実在の人物のライフスタイル」といったCopilotの指摘は、本来写真が持っている「真実を写す」というカメラの本質的な機能に立ち返って写真を撮ることの重要性を意味しています。

AI生成は、類似した多くのイメージをラーニングすることによって最大公約数に支持される平準的なイメージを生成することには長けている一方、カメラのように現実の一回限りの一瞬のイメージ(アンリ・カルティエ・ブレッソン的な「決定的瞬間」)を生成することはできません。

写真(カメラ)は「2007年の12月22日の雪の降る日に横浜で出会った猫」を写すことができますが、AI生成にはこれがうまくできません。一般的な猫のイメージになってしまうのです。

カメラが本来的に持っている「現実を切り取る」という機能を十全に活かして写真を撮ることで、AIイメージと差異化をはかることが益々必要となってくるでしょう。

加えて、AIイメージの法的なリスクも指摘されています。AI生成サイトは、生成したイメージに著作権や肖像権などの法的な問題が生じた場合には、それを生成した者(プロンプトを入力した者)に法的な責任があるという規約を採用しているので注意が必要です。実写の場合にはモデルリリースやプロパティーリリースをその都度書いてもらうので、生成AI画像より安全性が高いといえます。

では最後に以下の質問をしてみたいと思います。

質問4:ストックフォトのビジネスモデルは今後持続することが可能ですか?

以下、AI(Copilot)の答えです:

📸 ストックフォトのビジネスモデルは「持続可能か」

結論から言うと “持続はするが、同じ形では続かない” というのが現実に最も近い見立てです。

特に AI 生成画像の爆発的増加により、従来型のストックフォトは完全に別フェーズへ移行しています。

「市場飽和」「AI画像の指数関数的増加」「広告トレンドの変化」などがビジネスモデルの再編を強制しています。

🔍 なぜ「完全に崩壊」はしないのか


AI がどれだけ増えても、以下の領域は依然として価値を持ち続けます。

✔ 法的に安全な画像(モデルリリース・プロパティリリース)
AI 画像は著作権・肖像権・商標の問題が未整備。
企業は「100%安全な実写」を依然として求めます。


✔ “リアルな生活者”の写真は AI がまだ苦手
季節感、生活感、文化的ニュアンス、自然な肌の質感など。
「日本の生活・季節・ファッション」は特に差別化が効く領域。


✔ 広告・企業案件は“信頼性”を買う
AI 画像は「フェイク」扱いされるリスクがあるため、
企業は依然として実写を選ぶケースが多い。


🔥 しかし、従来のストックフォトは“そのままでは”持続しない

特に以下の領域は急速に価値が下落しています。

- 汎用的なビジネスシーン

- 抽象的な背景

- 風景

- 物撮り

- コンセプト系(未来・テクノロジーなど)

AI が秒で生成できるため、これらはほぼコモディティ化。


📉 市場構造の変化


1. 供給量が指数関数的に増加(AI画像の爆発)

→ 1枚あたりの単価は下落し続ける。


2. プラットフォーム側は“量より質”へシフト

→ 審査基準が厳しくなり、AI画像の大量投稿は制限される方向。


3. “ニッチ × 高精度 × 法的安全”が価値の源泉に




🧭 今後持続するビジネスモデルはこれ




① AI では再現しにくい「生活者のリアル」特化

- 季節の行事

- 日本の生活文化

- ファッションのリアルな着こなし

- 年齢層別の自然な表情

- 家庭・職場の“本物の雑然さ”

② 広告・企業向けの“安全な実写”

- モデルリリース完備

- プロパティリリース完備

- 法的にクリーンな素材

③ AI 生成 × 実写のハイブリッド戦略

- 実写で撮影した人物 × AI背景

- 実写の質感をベースにした AI 補完

- 実写の構図を AI で量産



④ ストックフォトを“集客装置”にする

- ブログ

- YouTube

- Instagram

- ノウハウ販売

- プリセット販売

- 企業案件

ストックフォト単体で稼ぐのではなく
ストックフォトを軸に複数の収益源を組み合わせるモデルが最も持続性が高い。
🧩 結論

**ストックフォトは「持続する」。
ただし、勝ち方は完全に変わる。**

ビジネスモデルは持続はするが、これまでと同じようにはいかない、ということが強調されています。約20年を経たストックフォトのビジネスモデルはやはり大きな修正が必要のようで、とりわけAIの参入を契機に、クリエイターに大きな変革を迫っています。

多くのことがここで言われているので、逐一コメントはしませんが、クリエイターはAIとどのように対峙するかという問題が、(ストックフォトの分野に限らず)各々のクリエイターに突きつけられています。来年2026年は、一人一人が、AIと共存するのか、それともAIとの差異化をしていくのかということを具体的に考えていかなければならない年になるでしょう。安定した大きなビジネスモデルはもはやなくなり、一人一人が自分に最適な小さなビジネスモデルをつくっていくことになるのだと思います。

以上、AIに質問しながら2025年のストックフォトの動向について考えてみました。

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