ストックフォトの今後について
AIに聞いてみました

今年のまとめとして、「ストックフォトの今後」についてAIに聞いてみました。

質問1と2に対するAIの答えと、その答えに対する個人的な感想を書いてみました。

質問1:
ストックフォトの今後について教えて?

【以下AI(Microsoft Copilot)の答え】

ストックフォトの未来には、いくつかの重要な動向と変化が予測されています。以下に、そのいくつかを挙げてみましょう:

  1. AIと自動化の進化:

    • 画像生成技術: AIは既に進化を遂げており、今後もさらにリアルな画像生成が可能となります。これにより、クリエイターが特定のニーズに応じたカスタム画像を迅速に作成できるようになります。

    • 画像検索: AIを利用した高度な画像検索機能が普及することで、ユーザーは必要な画像を効率的に見つけることができるようになるでしょう。

  2. 多様性とインクルージョン:

    • ストックフォト市場では、多様性とインクルージョンが重視されるようになっています。これにより、異なる文化、背景、ライフスタイルを反映した画像が増えるでしょう。

  3. 動的コンテンツの需要増加:

    • 動画やGIFなどの動的コンテンツの需要が増加しています。これに伴い、ストックフォトサイトも動画やアニメーションの提供を強化していくでしょう。

  4. ブランディングとカスタマイズ:

    • 企業やブランドは、独自のアイデンティティを維持するためにカスタマイズされた画像を求める傾向が強まっています。このため、ストックフォトプロバイダーはパーソナライズドサービスを提供するようになるでしょう。

  5. サステナビリティとエシカルなコンテンツ:

    • 環境意識の高まりと共に、エシカルなコンテンツやサステナビリティをテーマにした画像の需要が増加するでしょう。

質問1の(AIの)答えに対する
個人的な感想

1のAIによる自動化の進展については、今後さらに進んでいくと思いますが、現在ではまだ写真とAI写真の区別が比較的簡単につくものが多いようです。今のところAIでつくるものは、写真というよりイラストに見えます。あるいはよくできたものはイラストのようにレタッチされた写真に見えます。いずれの場合も人の顔や肌はいわゆる「プラスチックフェイス」のような感じになっているので、そのあたりの質感に写真的なリアルさを求める人にとっては、AIのイラストっぽさが気になるかもしれません。今後改善されていくとは思いますが。また、F1.4で撮るような大きめの背景ボケの感じもAIはまだ弱いのかなと思います。それでも、商業撮影でプロパティーリリースがとりにくい場所を簡単に生成してくれるAIの技術は素晴らしいと思います。

2の多様性とインクルージョンのテーマの写真は、StocksyやGettyがお得意の分野ですが、日本ではまだ多様性やインクルージョンに対する文化的な理解と実践が始まったばかりなので、日本人のコンテンツとしてのこのテーマの素材は非常に少ないです。だからといって、実際には例えばLGBTでないモデルさんに演技をしてもらってLGBT風ストックを作ればよいと考えるのは危険です。そうした撮り方は世界のスタンダードなストック写真の撮り方に反しているし、将来的に問題になる可能性もあります。例えば、各ストックフォト会社は、日本人ではない被写体のモデルさんに「日本人」というタグをつけることを禁止していますが、それと同様に、LGBTでないモデルさんに「LGBT」というタグをつけることも購入者にとって誤解を抱かせるために禁止となるでしょうし、実際にそうしているところもあります。テーマ的に非常センシティブなテーマなので、ストックフォトの購入者(使用者)はタグの真実性と厳密さを気にかけるでしょう。

3.動画の需要の増加はその通りだと思います。ただ、アクティブなコントリビューターの数自体が減っているし、動画を作るのは写真よりも手間がかかるので、かつて写真がたくさん集まったように動画も簡単に集められるかは疑問です。各社の動画の売り上げと分配率がコントリビューターによってシビアに評価されると思います。実際、A社に対して数千の動画を提出している併売のコントリビューターが、B社にはほんの僅かしか動画を出していないということも見られます。

一方、AIによる動画の作成技術はまだ発展中もしくは準備段階といった感じです。まだ未完成の技術で作られたAI動画を現段階でたくさん増やしても、1、2年も経たないうちにすぐに見劣りする商品になってしまうでしょう。

4はその通りだと思います。ストックフォト会社がクライアント企業向けのカスタムなコンテンツを作成することはすでに行われているし、今後も増えていくと思います。

5.ストック素材で、エコロジーやサステナビリティをテーマにしたものはすでに多くありますが、エシカルなテーマを扱ったストック素材はまだあまりないように見えます。エシカルなイメージを写真や動画として伝えることは(エコロジーやサステナビリティよりも)難しいでしょう。最近は、「エシカル商品」「エシカル消費」という言葉も使われていますが、エシカルな商品や消費に対する理解や需要が一部で高まりつつあるようです。「エシカル商品」とは、フェアトレードの商品や、社会的弱者に対する寄付金付きの商品、社会環境に悪影響を与えない投資をしている金融商品、動物実験に反対する企業の商品など多岐にわたります。そうした商品の背後にある思想を理解し多少値段が高くても購入することが「エシカル消費」です。エコロジーやサステナビリティの場合は「自然」「木の葉」「緑色」「水」「土」など、象徴的なイメージが浮かんできますが、エシカルに関わる行動は非常に幅が広いので、象徴的なイメージをもってくることができません。その都度、フェアトレードの環境や、弱者支援、動物実験反対、などのイメージを個別に作らなければならないので、エシカルなテーマの素材はすぐに増やすことは難しいと思います。

以上、質問1の答えに対する感想です。

質問2:
ストックフォトグラファーの今後ついて教えて?

【以下AI(Microsoft Copilot)の答え】

ストックフォトフォトグラファーの未来には、いくつかの重要な変化や新たな機会が見込まれています。以下にそのいくつかを紹介します:

  1. 専門性の強化:

    • 高度な技術スキル: フォトグラファーはより高度な技術スキルを求められるようになるでしょう。特にドローン撮影や360度撮影などの新しい撮影技術への対応が重要です。

    • 特化した分野: フォトグラファーが特定の分野に特化することで、その分野での需要を狙うことが求められます。例えば、医療、農業、建築など特定の業界向けの画像を提供することが有望です。

  2. AIとの協働:

    • 画像の自動編集: AIを活用して画像の自動編集や補正が行われるようになるでしょう。これにより、フォトグラファーはよりクリエイティブな部分に集中できるようになります。

    • 画像生成のサポート: AIはフォトグラファーの撮影アイデアをサポートするツールとしても利用されます。これにより、より独創的で魅力的な画像が生まれる可能性があります。

  3. 多様な収益源:

    • サブスクリプションモデル: ストックフォトサイトはサブスクリプションモデルを採用することで、安定した収益源を提供します。フォトグラファーはこれを活用して持続可能なビジネスを構築できます。

    • 直接販売: フォトグラファーは自分のウェブサイトやオンラインプラットフォームを通じて、直接画像を販売することが増えるでしょう。

  4. コミュニティとコラボレーション:

    • フォトグラファーコミュニティ: フォトグラファー同士が情報交換やコラボレーションを行うコミュニティの重要性が高まります。これにより、新たなアイデアや技術の共有が進みます。

    • ブランドとのコラボ: フォトグラファーは企業やブランドと直接協力して、カスタマイズされた画像を提供する機会が増えるでしょう。

  5. エシカルな撮影とサステナビリティ:

    • エシカルな撮影: フォトグラファーはエシカルな撮影方法やサステナブルな撮影に関心を持つようになります。これにより、環境に配慮した撮影が求められるようになるでしょう。

    • 社会的責任: 社会的に意識されたテーマやプロジェクトへの参加が増えることが予想されます。

質問2の(AIの)答えに対する
個人的な感想

1と2に関しては、ありふれた一般的な答えなので特に反対もありません。

3の収益源に関しては、サブスクリプションモデルはストックフォト会社には安定した利益をもたらしますが、コントリビューターにはマイナス面が大きく、コントリビュータに対する持続可能性を提供しにくくなっています。実際、ここ数年に至っては、ストックフォトグラファーの活動の減衰は激しく、ストックフォトの撮影の仕事が著しく減っていることを嘆くモデルさんが多くみられます。そこで必要となるのが、AIも述べているように「直接販売」などフォトグラファー自身による販売経路の拡大です。日本のストックフォトグラファーについてはこれからだと思いますが、直接販売サイトを作って多少なりとも収益源を増やそうとするフォトグラファーは増えてくると思います。個人的には今年(2024年)9月にオリジナル販売サイト(トウキョウストックイメージズ★)を作りました。ちなみに来年(2025年)も別の販売形式で人物以外の写真を提供するサイトを作る予定です。詳細はまとまったらまたお知らせできると思います。

4のフォトグラファーコミュニティーについては、フォトグラファー同士が情報交換をしたり、スタジオのレンタル料をシェアするために合同で撮影したり、ということはすでによくあると思いますが、AIのいうようにフォトグラファー同士がコラボを行ってアイデアを共有したりコラボでストックを作ったりといった動きが今後重要になってくるかどうかは不明です。ストックフォトは薄利多売の商品なので、誰かとコラボしてその利益を分け合うという類の商品にはなりにくいです。

ブランドとのコラボに関しては、ストックフォトグラファーが直接ブランドからオファーを受けて撮影を行うということはまれですが、ストックフォト会社が専属のストックフォトグラファーを企業に仲介するということはよくあります。ただ、AIが言うように、フォトグラファーとブランドとの「直接協力」が増えていくことになるかは不明です。

5.質問1でもAIはエシカルなテーマについて述べていました。ここでは「撮影方法」のエシカル性が言われています。撮影方法のエシカル性はストックフォトをメインに行っているフォトグラファーのみならずアマチュアのカメラマンにとっても重要な問題ですので、やや詳しく述べてみたいと思います。

撮り鉄のカメラマンが線路や他人の敷地内に入って撮影することがよく問題になりますが、その写真がどのようにして撮影されたかということにも写真を見る側や写真を購入する者(ストックフォトを使用する企業等)は、特に企業倫理、コンプライアンスの側面から関心を持つようになってきました。非常に綺麗な風景の写真(ストックフォト)だけれど、実はその写真は撮影者が他人の私有地に入り込んで撮影したものだったということが分かった場合、SNSなどでそのことが容易に拡散されて、企業側はその写真を使うことがすぐにできなくなる時代になりました。このようなコンプライアンス全盛期では、エシカルな撮影方法に違反した撮影者(コントリビューター)には法的な責任や損害を請求されるリスクが生じる可能性があることを常に意識しなければならなくなりました。もしカメラマンが例えば他人のマンションの屋上や店舗内や神社仏閣の境内など、明確に他人の敷地だと判別できる領域で(許可をとらずに)撮影した写真を、ストックフォト会社を経由して販売した場合、住居侵入罪や建造物侵入罪になる可能性や、写真を購入して使用した企業から写真を使えなくなった損害賠償を請求される可能性も考えられます。企業からの請求は、単に使えなくなったストックフォト1枚の写真の値段の損害請求にとどまらず、その写真を使って例えば数万枚のパンフレットを作製した場合、そのパンフレットの作成代金も損害賠償請求される可能性も生じてしまいます。ストックフォト各社は、購入者に対する補償の範囲や補償額の上限を利用規約で定めていますが、最も厳密に法律や規約を適用された場合には、カメラマン自身にも直接責任が生じる可能性があることを認識しなければならないでしょう。そうした危険性に備えて、損害賠償保険と弁護士保険への加入はたとえアマチュアのカメラマンであってもストックフォトをやっている場合には必要になってきていると思います。エシカルな撮影方法の順守がますます求められているので注意が必要です。

以上、AIにストックフォトとストックフォトグラファーの今後について聞き、その感想を述べてみました。

今年このホームページをご覧いただいた皆様ありがとうございました。

2024年12月30日     monzenmachi

テキストのコピーはできません。
上部へスクロール