レタッチ不能なもの
ピント
ストックフォトをはじめて特に敏感になったのが、オートフォーカスの精度です。
明るさや色合いは撮影後でもレタッチによって変えられますが、フォーカスだけはフォトショップを使っても変えることは困難です。
ごく僅かなピントのずれならば、アンシャープマスクを(目の部分など)ピント付近だけかけてシャープにみせることはなんとか可能だとしても、ノイズも増えるし(さらにそのノイズをノイズリダクションで軽減するなどして時間がかかるうえ)、その部分だけどうしても違和感が残ってしまうこともあります。
ピントは後天的に変えられないと充分に意識して、撮影の時に常にピントを確認するようになりました。
物撮りの場合は(PCの)画面を見ながらマニュアルでピントを合わせることも多いですが、ストックの人物撮影は完全にオートフォーカス任せなので、レンズの微調整(Nikonでいうと「オートフォーカスの微調節」)は定期的に行うようになりました。
ストックフォトで人物撮影をやっている人で、わざわざ(C.Zeissなどの)マニュアル専用ポートレートレンズで撮るツワモノはまれ(?)だと思いますが、等倍で見て完全にピントが合っていないとストックフォトの審査にも落とされるでしょうし、購買者もシビアにピントはチェックするので、オートフォーカスの精度を定期的にチェックすることは欠かせません。
自分のやっているチェックの仕方は、ポカリスエットなどのペットボトルのラベルの原材料名のところに書かれている細かい文字を、少し離れたところから撮影し、それらの小さい文字がクリアに写っているかどうかを(中央~両端のフォーカスポイントまでまんべんなく)チェックしています。ピント面がくっきりとフォーカスできるようになるまで「オートフォーカスの微調節」でピントを調節しています。
一度、ストックフォトの屋外での人物撮影で、オートフォーカスが微妙にずれていて(途中で壊れたらしい)、撮影の半分以上がダメになってしまったことがあり、それ以来危機管理の一環としてピントの確認や調整はとりわけ念入りにするようになりました。
ピントだけは本当にレタッチ不能です。