夏の撮影で熱中症にならないために

夏の撮影は熱中症に注意!

写真を撮ることはとても楽しいことですが、夏は特に注意が必要です。年々気温が高くなっていて、撮影中に体調不良や熱中症になる危険があります。

熱中症を防ぐために気を付けたい点を、カメラマンの目線から述べてみたいと思います。

撮影前の準備

暑い時期の撮影中に熱中症にならないために、いつも撮影前に用意しているのが

1)冷たいスポーツドリンクと、2)塩飴です。

それに加えて、3)気温の確認と、4)服装も重要です。

スポーツドリンク

冷たいスポーツドリンクは、氷が解けない保温・保冷ができる水筒(真空断熱ボトル)にたくさんの氷とともに入れて持っていきます。氷をたくさん入れると味が薄くなるので、粉末のスポーツドリンクを水筒に多めに入れて甘くして作っています。

甘いとカロリー量も増えて撮影中に消耗したエネルギーの回復にも良いでしょう。個人的にはかなり甘い方が好みです。その際には人工甘味料ではなく、砂糖やブドウ糖が多く入っている製品を選ぶとカロリーが高くなって疲労回復が期待できるでしょう。

スポーツドリンク

塩飴

塩飴は水分の補給にはなりませんが、発汗で失った塩分を補ってくれます。

屋外の撮影は、重い機材を持って歩きながらの撮影となることがほとんどなので、カメラマンの発汗量は普通の人よりもかなり多くなると思います。

ちなみに、私の場合は、ミラーレスカメラ2台、レンズ4本、フラッシュ1つ、ジンバル1台というのが、ストックフォトの屋外撮影で人物(モデルさん)を撮影するときの基本的な装備です。それらをお気に入りのカメラリュック(thinkTANK Urban Access 13)に入れていくのが通常です。

気温の確認

前日の天候、特に気温の確認は非常に重要です。どんなに注意をしても、経験上31度以上の晴れた屋外で撮影を続けることは非常に危険です。

特にモデルさんと一緒の屋外での撮影は、30度以下でしか行わないようにしています。そうすると、夏季で撮影を行える時間帯は、ほとんどの場合に夕方4時か5時以降になるでしょう。

夏は日没が遅く、7月では夜7時まで明るいので、夕方からの撮影に大きな支障はありません。逆に、日中の高い太陽からの強い日差しの中で撮影することの方が難しいです。コントラストが高い写真ばかりで綺麗な陰影(シェード)が撮れなくなるからです。

夕方から日没の撮影では、マジックアワーの時間帯も含まれ、いろいろな光と陰影のバリエーションが撮れるのでおすすめです。

31度を超えると危険

服装

30度以下で夕方からの撮影を行う場合も、湿度が高いため、服装には注意が必要です。

屋外での撮影は歩く量がどうしても多くなるので、風通しの良い快適な服装を選びたいです。

おすすめは、通気性に優れた「麻」の素材を使ったシャツやパンツです。あるいは、より手軽には綿のTシャツやハーフパンツも快適です。

ジーンズや、ポリエステル素材の服は蒸れるので夏の撮影では避けた方がよいかもしれません。

風通しの良い麻の素材

撮影時の注意点

撮影前の準備がよくできていれば、撮影中に体調不良や熱中症になる危険性は大幅に減ると思います。

それでも夏は暑いので、涼しい時期よりも注意力が散漫になりやすいです。

一人での撮影の時も、モデルさんとの撮影の時も、自分や相手の体調に敏感になり、無理をせずに休みながら撮影を行いましょう。

撮影に没頭しない

撮影に没頭しすぎると、時間はあっという間に過ぎていき、休むことも忘れてしまいます。

そうならないように、意識的に時間をよく確認して、適度に休息をとって、水分を補給しながら撮影を行うようにしましょう。

休憩を忘れる以外にも、撮影に没頭することの弊害は、絵に現れることもあります。

ストックフォトでも依頼撮影でも、限られたシーンでより多くのバリエーションを撮ることが求められます。しかし、撮影に没頭すると同じ場所からあまり動かずにシャッターを何度も押してしまうこともよくあります。そうすると、(バリエーションではなく)単なる類似写真が多くなり、使えない写真が増えることになります。

冷静に撮り続けるためにも、適度な休息が必要です。

夏季のパフォーマンス低下を前提に

休息をとりつつ撮影を行うとしても、夏の高温や高湿度の環境は屋外での活動全般においてパフォーマンスの低下をもたらすことが知られています。

夏季の屋外での建設作業員の作業パフォーマンスを調査した研究(産業安全研究所「環境温度の違いが作業パフォーマンスに及ぼす影響」)では、29度の温度でも、聞き逃しや作業手順の間違いなどのパフォーマンスの低下が現れることが示されています。

夏はパフォーマンスが低下するという前提で、特にモデルさんとの撮影時には、モデルさんとのコミュニケーションをこまめにとりながら撮影しましょう。モデルさんに疲労や注意力の低下がみられたら、撮影をすぐに中断することが必要です。注意力の低下による転倒などの怪我を避け、安全に撮影を行うことが優先事項です。

まとめ

夏の撮影では、熱中症にならないことが重要です。

水分や塩分の補給、風通しの良い服装、時間帯を選んでの撮影などで熱中症を防ぐことがかなりできると思います。

熱中症だけでなく、夏の撮影時は暑さによるパフォーマンスの低下にもご注意ください。注意力が散漫になり、転んで怪我をしてしまったり、交換レンズを地面に置きっぱなしにして忘れてしまったり、といったトラブルに気を付けながら、夏の撮影を楽しみましょう。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

最近のブログ記事

テキストのコピーはできません。
上部へスクロール